買う・売る条件を決め、注文を出す。
HOW FINANCIAL TRADING WORKS
金融商品の取引が
成立する仕組み
金融商品は名前だけ覚えても使えません。誰と取引し、価格はどう決まり、お金と商品がどう動き、どこまで損をする可能性があるのか。この共通構造から理解します。
MARKET & EXECUTION
売買が成立するまで
市場の基本は、売りたい人と買いたい人の注文を集めることです。ある株を1,000円で売りたい人と、1,000円で買いたい人がいれば、条件が一致して取引が成立します。これが約定です。
買い注文
約定
売り注文
買いたい人が多く、1,000円で売る人がいなければ、買い手は1,001円、1,002円と条件を上げます。反対に売りたい人が多ければ、売り手が価格を下げます。株価は企業が毎秒決めるものではなく、市場参加者の注文が一致した価格です。
投資家の窓口となり、注文を取引所へ送る。
多数の注文を集め、ルールに従って成立させる。
成立後のお金と商品の受け渡しを管理する。
注文を出しても、反対側に条件の合う相手がいなければ成立しません。指値は価格を管理できますが未約定になる可能性があり、成行は成立を優先しますが価格がずれる可能性があります。
SPOT & STOCKS
現物取引と株式の保有
現物取引では、10万円分の株を買うなら原則10万円を支払います。価格が20%上がれば評価額は12万円、20%下がれば8万円です。通常、損失の上限は投資した金額までです。
10万円買付株式を保有
10万円分売却現金へ戻る
時価
株を買うと、そのお金は会社へ行く?
会社が新株を発行して資金を集める「発行市場」では、資金が会社へ入ります。一方、普段の取引所で行う「流通市場」では、すでに発行された株を投資家同士で売買します。あなたの買付代金は基本的に売った投資家へ渡り、直接会社へ入るわけではありません。
会社 ↔ 投資家
新しい株式や債券を発行し、会社などが資金を調達する。
投資家 ↔ 投資家
発行済みの商品を売買し、いつでも換金しやすくする。
FUNDS & ETF
投資信託とETFの違い
一般的な投資信託
多くの投資家から集めたお金を一つにまとめ、運用会社が株や債券へ投資します。投資家は株を直接保有するのではなく、そのファンドの持分を保有します。販売会社で金額を指定して購入し、保有資産の時価から計算される基準価額で取引します。
一般的な投資信託の基準価額は通常1日1回計算されます。そのため注文時には最終的な購入・換金価格がまだ分からない場合があります。取引画面では、購入金額、積立額、口座区分、分配金の扱い、目論見書の確認などを選びます。
ETF
ETFは取引所に上場している投資信託です。中には複数の株などが入っていますが、売買方法は上場株式に近く、市場が開いている間は価格が動き、成行・指値で取引できます。
| 比較 | 一般的な投資信託 | ETF | 個別株 |
|---|---|---|---|
| 中身 | 複数資産 | 複数資産など | 一つの会社 |
| 売買場所 | 販売会社 | 取引所 | 取引所 |
| 価格 | 原則1日1回の基準価額 | 市場で変動 | 市場で変動 |
| 注文 | 金額・口数指定など | 成行・指値 | 成行・指値 |
| 確認点 | 中身・費用・分配方針 | 中身・費用・売買価格差 | 企業・業績・価格 |
BORROWING & DERIVATIVES
信用取引・FX・CFD・先物の仕組み
資金や株を借りる
証券会社から資金を借りて株を買う、または株を借りて先に売ります。金利・貸株料・期限・追証があります。
2通貨の価格差
通貨ペアの為替レート変化を証拠金で取引します。多くの個人向け取引では差額を清算します。
対象価格の差額
株価指数や金などを直接保有せず、開始と終了の価格差を清算する契約です。
将来の売買契約
将来の決められた時点に、あらかじめ決めた条件で売買する契約です。限月と取引単位があります。
先物は、何のために生まれた?
将来の価格変動を避けたい人同士が、今のうちに条件を固定するためです。小麦農家は収穫時の値下がりを避けたい。食品会社は仕入れ価格の値上がりを避けたい。将来売る人と買う人が価格を決めることで、それぞれの不確実性を減らせます。
将来の販売価格を固定したい
今決める
将来の仕入価格を固定したい
金融先物では、満期まで待たずに反対売買して差額を清算することも一般的です。商品の全額ではなく証拠金を預けるため、取引金額が証拠金を大きく上回ることがあります。
FROM ORDER TO OWNERSHIP
注文から保有までの流れ
画面で「買う」を押すだけでは、まだ取引の全体は見えません。
注文
証券会社が注文を受け、取引所へ送ります。銘柄・売買・数量・価格・期限が注文条件です。
約定
反対注文と条件が一致すると売買成立。表示された現在値で必ず成立するとは限りません。
清算
誰がいくら支払い、何を受け取るかを整理します。取引相手の不履行を抑える仕組みもあります。
決済・保有
代金と証券を受け渡し、口座の保有残高へ反映します。デリバティブでは差額決済の場合があります。
1,000円で100株の買い指値を出した例
売り注文が1,000円で60株、1,001円で100株なら、指値1,000円ではまず60株だけ約定し、残り40株は待機する場合があります。全部成立したと思い込まず、注文状況と約定数量を確認します。成行へ変更すれば成立を優先できますが、残りが1,001円以上で約定する可能性があります。
ここでの原則:「買うボタン」は意思表示であり、価格と数量が確定するのは約定後です。