02 · CHART READING

チャートに表示される
情報と読み方

チャートは過去の価格と取引の記録です。未来を予言する図ではなく、今どの状態かを同じ手順で判断する道具です。

READING ORDER

チャートを見るときの主な観点

以下は初心者が情報を整理するための一例です。取引期間や手法によって、確認する項目や順序は変わります。

01

時間軸

週足・日足で大きな方向を確認

02

価格構造

高値と安値が上か下か横ばいか

03

重要価格

支持線・抵抗線・前回高安

04

ローソク足

買い手と売り手の押し戻し

05

出来高

その動きに参加が伴うか

06

補助指標

目的に合う1〜2個だけ

TIMEFRAME

時間足による見え方の違い

上位足

大きな値動きを確認する

週足・日足で、大きなトレンドと重要価格を確認します。ここに逆らう取引は難度が上がります。

取引足

取引に使う時間足を確認する

スイングなら日足・4時間足、デイトレなら1時間足・15分足など、自分の保有時間に合わせます。

下位足

短い時間足の特徴

短い足ほどノイズと判断回数が増えます。初心者は1分足を避け、確認する時間足を固定します。

CANDLESTICK

ローソク足の見方

一本よりも「どこで出たか」「前後に何があるか」を重視します。

緑の陽線とコーラル色の陰線。どちらも実体と上下のヒゲがある
陽線

終値が始値より高い足。実体の下が始値、上が終値です。

陰線

終値が始値より低い足。実体の上が始値、下が終値です。

このサイトは陽線=緑、陰線=コーラルで統一します。取引サービスによって色が逆の場合があります。
実体

始値と終値の差。長い実体は、その期間に一方向へ強く動いたことを示します。

ヒゲ

高値・安値まで進んだ後、押し戻された範囲。長い下ヒゲは安値で買い戻された記録です。

出た場所

支持線上の下ヒゲと、何もない場所の下ヒゲでは意味が違います。出来高と次の足も確認します。

DRAWING LINES

水平線とトレンドラインの引き方

水平線は、過去に価格が何度か止まった範囲へ横向きに引きます。トレンドラインは、上昇時の安値同士、または下降時の高値同士を斜めに結びます。ヒゲ先と実体のどちらを基準にするかを決め、同じ図の中では基準を混ぜません。

抵抗帯支持帯

水平線

二回以上止まった高値・安値を候補にします。ヒゲ先だけに合わせず、終値が集まる範囲も見ます。

点ではなく価格帯として扱う
安値ライン(ヒゲ先)

トレンドライン

この図では、上昇中の安値のヒゲ先を結んでいます。実体の下端で反応がそろう場合は実体を基準にできますが、途中で基準を変えません。

ヒゲ先で引く例。二点で仮、三点目で確認
高値ライン(ヒゲ先)安値ライン(ヒゲ先)

平行チャネル

安値のヒゲ先を結んだ線を基準に、同じ傾きの線を上ヒゲ先へ置きます。この図では、下側は安値のヒゲ先、上側は高値のヒゲ先に合わせています。

上下ともヒゲ先基準。同じ傾きを保つ

MA · SMA · EMA

移動平均線(MA・SMA・EMA)の違い

移動平均線は価格をならして方向を見やすくする遅行指標です。未来を先に示す線ではありません。

短期MA

長期MA

SMA

SMAの計算方法

例えば20日SMAは直近20日分の終値を合計して20で割ります。動きは比較的なめらかです。

EMA

EMAの計算方法

同じ期間のSMAより直近の変化へ速く反応します。その分、短期の揺れにも反応しやすくなります。

組み合わせ

移動平均線で確認できること

価格が線の上か下か、線が上向きか、短期線と長期線がどう並ぶかを確認します。交差だけでは入りません。

SELECTED INDICATORS

よく使われる主な指標

役割が重なる指標を何個も入れません。「方向・勢い・変動・参加量」から必要なものを選びます。

01
参加量を見る

出来高

何を表す?

一定期間に成立した取引量。値動きにどれだけ参加が伴っているかを見る。

どう使う?

抵抗線を抜ける時に平均より増えているか、上昇中に減っていないか。

弱点

出来高だけでは買いと売りのどちらが優勢か確定できない。FXの出来高は市場全体ではない場合がある。

組み合わせ

価格・支持線/抵抗線

02
方向を見る

移動平均線(SMA・EMA)

何を表す?

過去の終値を平均し、価格の細かな揺れをならした線。EMAは直近価格をより重くする。

どう使う?

線の傾き、価格との位置、短期線と長期線の並びを見る。

弱点

過去データなので遅れる。横ばいでは交差が増え、だましが多い。

組み合わせ

高値・安値の方向、出来高

03
勢いを見る

RSI

何を表す?

直近の上昇と下落の強さを0〜100で表す。一般に70超・30未満が注目される。

どう使う?

レンジの端で行き過ぎと反転を確認する。価格との逆行も補助材料。

弱点

強いトレンドでは70超・30未満に長く留まる。数値だけで逆張りしない。

組み合わせ

支持線/抵抗線、反転足

04
流れの変化を見る

MACD

何を表す?

期間の異なるEMAの差と、その平均線を使って勢いの変化を表す。

どう使う?

ゼロラインの上下、MACDとシグナルの交差、ヒストグラムの拡大・縮小。

弱点

急変には遅れやすく、レンジでは交差が頻発する。

組み合わせ

上位足のトレンド、価格構造

05
値動きの幅を見る

ボリンジャーバンド

何を表す?

移動平均線の上下に、標準偏差を使った帯を表示する。帯の拡大・縮小で変動の状態を見る。

どう使う?

縮小後の拡大、トレンド中の帯沿い、レンジの中心線と端を観察。

弱点

上限に触れた=売り、下限に触れた=買いではない。強い相場では帯に沿って進む。

組み合わせ

出来高、支持線/抵抗線

WORKED EXAMPLE

チャートを読む例

数字は説明用です。形を当てるのではなく、観察と判断を分けます。

01

日足を見る

高値と安値が切り上がっている。大きな方向は上向き。

02

重要価格を引く

過去に3回止められた1,000円を抵抗線とする。

03

終値を待つ

一時1,010円まで上がったが、終値は990円。上抜けは未確定。

04

出来高を見る

普段より少ない。参加を伴う強い突破とは判断しにくい。

05

行動を決める

今回は見送る。終値で1,000円を超え、次の足でも維持できるか待つ。

抵抗線を一時的に超えた場合

取引時間中に抵抗線を超えても、売りに押されて終値が下なら、上ヒゲとして残ります。一本だけで失敗と断定はできませんが、少なくとも「上抜け確定」と急いで買う根拠にはしません。

MINIMUM SETUP

初心者向けの表示例

価格出来高移動平均線1〜2本

RSI・MACD・ボリンジャーバンドは、戦略上の目的がある時に一つ追加します。全部同時には使いません。

NEXT · PATTERN ATLAS

主なチャートパターンを確認する

ローソク足、反転、継続、ブレイクを図解しました。初心者は「基本」表示のパターンだけで十分です。

チャートパターン図鑑へ →
参考資料・内容確認 2026年8月14日Fidelity Technical Indicator Guide ↗Schwab Chart Reading Guide ↗
NEXT次へ|チャートパターン図鑑